日本企業が多く進出し、親日家の多いベトナムには、約23,000人の日本人が住んでいます。
移住先としてベトナムを検討している人も多いはずです。
この記事では、ベトナム移住のメリットとデメリット、必要な初期費用、ビザの条件を解説します。
最後まで読んで、移住に必要な知識を習得しましょう。
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ベトナムってどんな国?
ベトナム料理や雑貨、インテリアが日本でも人気の南の国、ベトナム。
日本からアクセスがよく、旅行先としても人気があります。
ベトナムってどこにあるの?
ベトナムは東南アジアのインドシナ半島にある南の国です。
南北に長く、南に最大都市のホーチミン、北に首都のハノイがあります。
成田空港からホーチミンまでは直行便で6時間、時差はマイナス2時間と少ないので、ベトナムは日本から近く感じられます。
観光地としても人気
東側が海に面しており、ビーチリゾートが連なっています。
熱帯モンスーン気候で夏が長いので、一年を通して諸外国からビーチに観光客が訪れます。
古都ホイアンやフエの歴史的建造物群など、世界遺産に登録されている場所がたくさんあるのも魅力です。
米麺のフォーやコンデンスミルクを使った甘いベトナムコーヒーなど、食文化が発達しているのでグルメな旅人にも大人気です。
ベトナムの通貨
ベトナムの通貨はベトナムドン(VND)で、紙幣のみで硬貨はありません。
都市部や観光地ではアメリカドルが使える場所がありますが、レートはVNDのほうがよいです。
ベトナム移住のメリット
ベトナムには23,000人もの日本人が住んでいます。
温暖な気候や豊かな食文化などを理由に移住を決めるケースも多くあります。
温暖な気候
ベトナムは南北に長いので地方によって気候が異なります。
首都のホーチミンがある南部は雨季と乾季に分かれており、年間を通して暑いのが特徴です。
ハノイのある北部は亜熱帯性気候で四季がありますが、もっとも寒い1~2月でも日本の秋くらいの暖かさくらいあります。
厳しい冬がなく温暖なので、夏が好きな人には過ごしやすいでしょう。
ベトナム料理
ベトナム料理には出汁やタレ、お米など、日本人に馴染みのある食材が多く使われており、日本人の口に合う料理が豊富です。
代表的なベトナム料理といえば、お米を使った麺料理のフォーや、ライスペーパーで作った春巻き。
フランスの植民地だったことからパンやカフェ文化も発達していて、屋台ではフランスパンにたっぷり具材をはさんだ「バインミー」を目の前で作ってくれます。
コーヒーは濃く抽出し、コンデンスミルクと混ぜて甘くいただくのがベトナム流です。
どれも安価なので毎日でも食べられるのも、ベトナム移住の大きなメリットです。
物価が安い
ベトナムは日本に比べて物価が安く、お金の心配が少ないメリットもあります。
たとえば、
- 屋台のベトナム料理 1食30,000~50,000VND(約160~270円)
- ペットボトルの水(500ml) 5,000VND(約27円)
- ホーチミンの市バスの運賃 5,000~6,000VND(約27~33円)
物価は日本の都市部の4分の1ほどです。
物価が安い分、余裕のある暮らしができます。
ベトナム移住のデメリット
ベトナムには安全面、健康面でのデメリットがあります。
移住前に視察に訪れるのもおすすめです。
安全性ーバイクの交通マナーが悪い
ベトナム人の主な移動手段はバイクですが、交通マナーが非常に悪いので常に注意が必要です。
ラッシュ時には道路横いっぱいにバイクが並び、どれもガソリンを節約するために減速せずに走ります。
信号や横断歩道があまり整っていないなかで、バイクが次々と横切る道を渡るのは至難の業です。
観光客向けにバイクタクシーもありますが、事故が多くリスクが高いのであまりおすすめできません。
ベトナムの街歩きでは事故に遭わないように気を付けましょう。
都市部は空気が悪い
ベトナムの都市部では大気汚染が深刻です。
大気汚染の程度を示す空気質指数(AQI)は、100を超えると敏感な人には健康に影響があるレベルですが、ハノイは平均204、ホーチミンは平均173。
国民の5%が気管支ぜんそくを患っており、死亡原因の上位には肺炎や呼吸器系疾患が占めています。
外出時はマスクを着用するなど、大気汚染から身を守る工夫が必要です。
治安
殺人やテロのような凶悪犯罪は少ないですが、スリやひったくりの頻度が大変高いので注意しましょう。
バイクの交通量が多いので、後ろから来たバイクが追い抜きざまにハンドバッグやショルダーバッグをひったくるというケースが多く見られます。
観光客向けのバイクタクシーは、わざと遠回りして価格を吊り上げたりすることもあります。
街歩きはなるべく複数人で、怪しい客引きには気を付けましょう。
ベトナム移住に必要な貯金|金持ちじゃなくても移住できる?
ベトナムは物価が安く、日本から直行便もあるため旅費もあまりかからないというメリットがあります。
移住に必要な貯金額は約30万円。これならお金持ちじゃなくても移住できそうです。
ベトナムへの移住を考えた時に、「ベトナムの平均年収っていくらくらいなんだろう?」「地域別な違いや今後の経済成長は見込める?」「日本人だといくらくらい稼げるんだろう?」こんな疑問が出てくることはありませんか?[…]
初期費用
成田からホーチミンまでの飛行機は3~5万円で、ビザ取得費用は25~50ドル(約3,100~6,300円)です。
飛行機代は時期によって大きく上下するものの、渡航までにかかる費用は4~6万円程度の見積りです。
当面の生活費
ホーチミンの単身向け住居の家賃は650万VND(約36,000円)くらいから住めます。
光熱費や通信費も安いので、生活費は安く収めることができます。
- 家賃 36,000円
- 光熱費 5,000円
- 食費 30,000円
- 携帯代 3,000円
合計 74,000円+娯楽費
当面の生活費として3カ月分の222,000円、初期費用6万円程度として、移住前に30万円程度用意しておくとよいでしょう。
ベトナム移住に必要なビザ
ベトナムにはビザなしで入国できますが、滞在が15日を超える場合はビザが必要です。
ベトナムのビザは全20種類。ここではメインの3種類をご紹介します。
観光ビザ
観光ビザ(DL)には1カ月、3カ月の2種類があり、それぞれシングルエントリー(一度でも出国したら無効)と、マルチエントリー(有効期間中は何度でも再入国可)があります。
在日ベトナム大使館で申請するとビザは即日、オンライン申請の場合は3~5日で発行されます。
申請費用はシングルエントリーは25ドル、マルチエントリーは50ドルです。
就労ビザ
就労ビザ(DN)は、ベトナムで仕事をすることが前提のビザです。
期間は1カ月、3カ月、6カ月、1年があり、それぞれシングルエントリーとマルチエントリーがあります。
就労ビザの申請方法は、
- 在ベトナム法人(勤務先)から入出国管理局に必要書類(登記簿、申請書など)を提出し、招聘状(取得許可番号)を取得する。
- 申請者が招聘状(取得許可番号)と必要書類(パスポート、証明写真など)を大使館・領事館に提出する
①のベトナム法人による招聘状が必要なため、個人での申請はできません。
ベトナム法人は招聘状とともに労働許可証も申請します。
日本からベトナムの求人に応募するのが一番手っ取り早いでしょう。
申請費用は観光ビザと同じく、シングルエントリーは25ドル、マルチエントリーは50ドルです。
学生ビザ
学生ビザ(DH)は、18歳以上が対象で、留学先の入学許可証をもって申請することができます。
期間は1か月、3か月、6か月、1年、2年があり、留学期間に応じて選択できます。
ただし、2年大学に通うからといって2年間のビザが必ず下りるというわけではなく、数カ月ごとにベトナム国内でビザを更新するというケースもあります。
ベトナム人と結婚したら?
ベトナムには配偶者ビザがありません。
ベトナム人と結婚して夫婦でベトナムに移住する場合、主に3つの滞在方法があります。
- ビザの免除(最長5年)
※ただし、180日ごとに出国すること - 親族訪問ビザ(TT、最長12カ月)
- 一時滞在許可証(Temporary Residence Card、TT)
③一次滞在許可の場合のみ、ベトナムでの就労が可能です。
いずれかの滞在方法で3年以上居住すれば、永住カード(Permanent Residence Card)を申請することができます。
老後の移住|リタイアメントビザはあるの?
ほかの国でよく見かける老後移住のためのビザ、リタイアメントビザは、ベトナムにはありません。
老後にベトナム移住するなら、観光ビザを最大限まで使い、半年ほど滞在することが可能です。
半年以上となると、一度出国してベトナムから30日以上離れなければならないルールがあります。
老後にベトナムで年金暮らしをするのは難しいでしょう。
【失敗しないために】移住前の準備
海外移住には慎重な情報収集が必要です。
失敗しないために、しっかり準備しておきましょう。
入国の条件ー海外旅行保険
海外旅行保険や医療サービスに加入することが奨励されています。
とくにコロナ禍の現在は、越観光文化省からの指示により、観光目的の滞在の場合は、新型コロナウイルスの治療費をカバーするため最低10,000アメリカドル(約120万円)以上の保険加入が要件です。
クレジットカード付帯の海外旅行保険ではカバーできないケースが多いので、保険は必ず入っておきましょう。
ワクチン接種証明書は必要要件ではない
ワクチン接種済みの人は、摂取証明書を持参しましょう。
ただし摂取証明書は要件ではなく、PCR検査・陰性証明が要件とされています。
日本出国の72時間以内にPCR検査を受け、英語かベトナム語の陰性証明書を持参しましょう。
2022年3月15日以降、入国後の隔離期間は撤廃されました。
PCR検査が陰性であれば、10日間は健康観察期間となり、新型コロナウイルスの感染症状が出た場合には医療機関に報告します。
ベトナム語を学んでおこう
ベトナムに移住する前に少しでもベトナム語を学んでおきましょう。
ベトナムは都市部でもあまり英語が通じないので、まったくベトナムがわからないと日常生活で不便に感じるでしょう。
とくに数やお金に関するやりとりのベトナム語を覚えておくと、悪質な価格の吊り上げなどのトラブルも予防できます。
おすすめのエリア
南北に長く、面積も広いベトナムでは、場所によって暮らしが大きく異なります。
ここではおすすめの都市を3つご紹介します。
ホーチミン
ホーチミンは別名サイゴンと呼ばれ、活気あふれるベトナム最大の都市です。
フランス統治時代の文化が色濃く残り、ヨーロッパ調の建物やパステルカラーの教会が並びます。
日本人移住者も多く、レタントンという区域には日本人街があります。
日本食レストランもあるので、日本の味が恋しくなっても安心です。
ホーチミンはにぎやかな街ですが、少し足を延ばせビーチリゾート「ブンタウ」があり、自然を満喫することもできます。
ハノイ
ベトナムの首都ハノイは政治と文化の街です。
ホーチミンと同じく、バイクが行き交う活気づいた都市です。
家賃相場がホーチミンと比べるとやや安く、四季があるので日本人には暮らしやすいでしょう。
ステンドグラスの美しい大教会や、1000年の歴史がある旧市街、食材から雑貨までそろう市場があり、ベトナムならではの生活が楽しめます。
ベトナム唯一の世界遺産「ハロン湾」は、ハノイからバスで3時間ほど。
近郊にもさまざまな観光地があります。
ダナン
ベトナム中部にあるダナンは、ビーチリゾートとして外国人観光客に人気があります。
ホーチミンやハノイは大気汚染のため空がどんよりした日が多いですが、ダナンはからっと爽やか。
都市部に住んでいる人が気分転換に訪れる場所です。
近年はビジネス都市としても注目されており、いくつか日系企業も進出しています。
まとめ|現地で就労が基本。暮らし方が自分に合うか見極めよう
ベトナム移住にもっとも有効なビザは就労ビザなので、現地での就職、もしくは駐在としてベトナムに出向する必要があります。
ワーキングホリデーのように気軽な移住体験が難しいので、暮らしが自分に合うかどうかよく見極めましょう。
ビザなしで2週間程度滞在できるので、ベトナム現地を視察して、移住したイメージを掴むのもおすすめです。