オーストラリアには10万人以上の日本人が住んでおり、世界各国からの移住者が集まる「移民の国」として有名です。
この記事では、オーストラリア移住のメリットとデメリット、必要なビザや永住権の申請条件を解説します。
最後まで読んで、移住のイメージを掴みましょう。
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オーストラリアってどんな国?
オーストラリアは「世界の中心」として知られるエアーズロックや、世界最大のサンゴ礁地帯グレートバリアリーフなど、豊富な自然遺産に恵まれた大自然の国です。
移住先としてだけでなく、旅行先や留学先としても人気があります。
オーストラリアの基本情報
オーストラリアは南半球にある大陸で、面積は769万㎢と日本の20倍以上あり、タイムゾーンは東部・中部・西部の3つに分かれています。
羽田から最大都市のシドニーまで直行便で10時間、関空から北部の都市ケアンズまで7時間と、日本からもっともアクセスのよい英語圏の国です。
オーストラリアの北半分は常夏の熱帯性気候、南半分は温帯性気候で四季があり、雨が少なく冬もあまり寒くならないので、一年を通して過ごしやすい気候です。
オーストラリアの通貨
オーストラリアの通貨はAUD(オーストラリアドル)で、紙幣のドルと硬貨のセントがあります。
1AUDは80~90円程度で、アメリカドルやカナダドルよりやや安いレートです。
オーストラリア移住のメリット
2021年の「世界でもっとも住みやすい都市ランキング」では、オーストラリアの4都市がトップ10に選ばれています。
移民の国なので差別が少ない
オーストラリアには元々アボリジニとよばれる原住民が住んでいましたが、18世紀ごろから欧米諸国の白人の入植が始まり、それ以降さまざまな国から移住者が渡来してきました。
現在もヨーロッパ系、中国系、インド系などの多様な民族が住んでいるので、日本人が移住しても差別されることがあまりありません。
給料が高い
オーストラリアの最低賃金は時給20.33AUD(約1,830円)です。
フルタイムの仕事をしている人の平均年収は90,000AUD(約810万円)以上で、日本の433万円の2倍以上です。
オーストラリアでは27日以上の有給休暇が保障されているので、稼いだお金は休暇に使うという構図になっており、順調に経済成長しています。
公共の娯楽設備が充実している
オーストラリアの公共施設はきれいに整備されています。
人の集まる場所に公園、プールや人工ビーチ、シャワー、バーベキューグリルなどの娯楽施設が設置されていて、どれも無料で利用可能です。
国立や州立の美術館、博物館や劇場もあり、無料や安価で楽しむことができます。
どんなことに後悔する?オーストラリア移住のデメリット
オーストラリアはほかの国から地理的に離れているため、生活面でもさまざまな差があります。
暮らしのなかで感じるデメリットを解説します。
年中紫外線が強い
オーストラリア大陸上空ではオゾン層が薄くなっているといわれており、非常に強い紫外線が降り注ぎます。
紫外線の強さは日本の約5倍で、皮膚がんの発症率がとても高いので注意が必要です。
皮膚がんをはじめさまざまな皮膚の病気から身を守るために、紫外線の強い昼から昼過ぎにかけては屋内で過ごすことが奨励されています。
物価が高い
オーストラリアでは、家賃や外食費などが日本より高いです。
最大都市シドニーでの出費は下記のようなイメージです。
- 家賃(4週間) 1,400AUD(約126,000円)~
- バス 3.20~4.87AUD(約288~438円)
- ファストフード 6AUD(約540円)~
- レストラン 20AUD(約1,800円)~
外食の値段は高いですが、農業が盛んなためスーパーの食料品は日本より安いものが多く、自炊すると大幅に食費を抑えることができます。
英語に癖がある
オーストラリアの英語は訛りが強く、アメリカ人やイギリス人などの英語ネイティブでも慣れるのに時間がかかります。
「アフタヌーン」を「アーヴォ」、「ビーチサンダル」を「トング」などという独特の言い回しが多いので、英語が堪能な人でも少し勉強が必要です。
癖の強いオーストラリア英語が理解できるようになれば、どんな国の人とも問題なく会話できるようになるでしょう。
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オーストラリア移住は現実的?永住の考え方
オーストラリアは移民の国ですが、、年々就労ビザや永住ビザの条件や枠が厳しくなってきています。
ビザの考え方として、「ポイント」と「職業リスト」を理解しましょう。
学歴や経歴によるポイント制
オーストラリアで永住権をとるためにはさまざまな条件があり、学歴、専門分野、実務経験の年数、英語のスコアなどを総合的に加味するために「ポイント制」が設けられています。
永住ビザ取得に必要なポイントの目安は65ポイントで、オーストラリアの教育機関で勉強したり、資格を取得したりすることでポイントを上げることができます。
専門職業リスト(Skilled Occupation List)
専門職業リストとは、オーストラリアでビザが取得しやすい専門職の一覧です。
オーストラリアは広大な国土に対して人口が足りていないため、スキルのある外国人を積極的に受け入れています。
職種によってオーストラリアに滞在できる期間や働ける州が定められており、毎年更新されます。
移住に興味がある人は、自分の職種が職業リストに該当するか確認するのがおすすめです。
EOI(expression of interest)
EOIは移住希望者がビザを申請する前に、申請の意志を表明する制度です。
EOIに経歴や英語力などの個人情報を登録しておくことで、ビザ申請招待を受けられる可能性があります。
登録はオンラインで完結し、料金は発生しません。
オーストラリア移住で必要なビザ
オーストラリアのビザなしの滞在は90日間で、それ以上の滞在には必ずビザが必要です。
永住ビザと、永住につながるビザを解説します。
技術独立永住ビザ(サブクラス189)
もっとも人気があるオーストラリアの永住ビザで、申請条件を満たせば申請することができます。
企業からのスポンサーや推薦者が必要ないので比較的手軽です。
申請条件
- 18~45歳
- 65点以上のポイントを持っていること
- 一定以上の英語力があること(IELTSスコア6.0以上)
- 専門職業リストに記載された職業であること
- 健康で、犯罪歴がないこと
申請料
4,115AUD(約370,350円)
州ノミネーション技術移住ビザ (S190)
技術独立永住ビザ(サブクラス189) で必要なスコアに満たない場合、州のスポンサーをつけることで5ポイント補うことができます。
オーストラリア各州で不足している職種が募集、審査され、合格すれば州政府からノミネートされます。
ノミネートされた州だけで就職、居住することができるので、引越しの際は注意が必要です。
申請条件
- 18~45歳
- 州政府からノミネートされていること
- 65点以上のポイントを持っていること
- 一定以上の英語力があること(IELTSスコア6.0以上)
- 専門職業リストに記載された職業であること
- 健康で、犯罪歴がないこと
申請料
4,115AUD(約370,350円)
一時的技能不足ビザ(サブクラス482 TSS)
一次技能不足ビザは、オーストラリア国外でキャリアを積んだ専門職の人が、オーストラリア企業から推薦を受けることで取得できるビザです。
4年間有効のMedium-Term stream(中期間ストリーム)と2年間有効のShort-Term stream (短期間ストリーム)の2種類があり、それぞれ該当する職種が異なります。
一次技能不足ビザだけでは永住権になりませんが、Medium-Term streamを使って3年以上働けば新たな永住ビザ(雇用主指名制度)を申請することができます。
申請料
2,690AUD(約242,100円)
MLTSSL
MLTSSL(Medium and Long-term Strategic Skills List)は、オーストラリアで不足していて中長期のオーストラリア滞在、就労ができる職業のリストです。
一時的技能不足ビザのMedium-Term streamの職業に該当し、長期間オーストラリアで働いて実績を作ることができます。
ポイント不足のために技術独立永住ビザを取得できない人にとって大きなチャンスです。
STSOL
STSOL(Short-Term Skilled Occupation List)は、オーストラリアで2年間のオーストラリア滞在、就労ができる職業のリストです。
一時的技能不足ビザのShort-Term streamの職業に該当します。
必要なIELTSのスコアが4.5と比較的やさしいので取得しやすいメリットがあります。
1回のみ更新可能です。
年齢制限ありー50歳まで?
技術独立永住ビザの年齢制限はかつて50歳まででしたが、最近45歳までに引き下げられました。
ビザの条件が少しずつ厳しくなっています。
現在45歳以上の人には、年齢制限のない一次的技能不足ビザがおすすめです。
そのほかの移住方法
オーストラリア移住には一定以上のポイントを持っていることや専門職であることが必要ですが、一部例外的に条件のゆるいビザもあります。
ワーキングホリデー|30代で更新できる?
就労と休暇を目的とした1年間のビザ「ワーキングホリデー」は、18~30歳で申請でき、ポイントや職業に左右されません。
ワーキングホリデーの間に3カ月以上農業などの季節労働に従事すれば、1年間の延長が可能です。
2年目に6カ月以上季節労働をすればさらに1年延長でき、最大3年間滞在することができます。
2回目、3回目のワーキングホリデービザ取得時も申請条件は変わらず30歳までなので、延長したい場合は31歳の誕生日を迎えるまでに延長の申請をする必要があります。
申請費用は495AUD(約44,550円)です。
配偶者ビザ、家族ビザ|子連れで移住は可能?
就労ビザや学生ビザを取得した場合、扶養家族は家族ビザを取得することができ、ビザ取得者と同じく居住と就労の権利があります。
短期間の就労ビザの場合は家族ビザの範囲が制限され、子どもは18歳未満で未婚に限りますが、いずれにせよ配偶者と子どもを連れて移住することができます。
オーストラリアには移住者の子どもが多く、小学校や中学校では日本語が学校の選択科目として人気です。
学校やコミュニティに馴染みやすいでしょう。
老後の移住は可能?リタイアメントビザはある?
2018年11月からリタイアメントビザのルールが変わり、新規申請ができなくなりました。
オーストラリアには投資家向けのリタイアメントビザ(The Investor Retirement visa サブクラス405) がありましたが、現在はすでにビザを持っている人の更新のみが可能です。
子どもがオーストラリアに移住して高齢の親を呼び寄せるという方法がありますが、老後、個人的に移住することは困難です。
オーストラリア移住に必要な貯金
移住前に85万円以上の貯金があると安心です。
オーストラリアの渡航費を15万円として、ビザ申請費用や当面の生活費も見積もっておきましょう。
ビザ申請費用
オーストラリアは就労ビザの申請費用が高額で、2,690AUD(約242,100円)~4,115AUD(約370,350円)程度かかります。
当面の生活費
移住前に3カ月分程度の生活費を用意しておきましょう。
スタジオとよばれるワンルームアパートやシェアハウスに住んで主に自炊した場合、3カ月分の生活費の予算は47万円程度です。
- 家賃(12週間) 4,200AUD(約378,000円)
光熱費やインターネット代が家賃に含まれている物件もたくさんあります。 - 携帯代 120AUD(約10,800円)
- 食費 600AUD(約54,000円)
- 交通費 300AUD(約27,000円)
合計 5,220AUD(約469,800円)
まとめ|職業リストをこまめにチェックして、自分に合った職を身に着けよう
オーストラリアの移住は、職業リストに記載された職業に就くことがもっとも重要です。
移住を検討するなら、専門職業リスト(Skilled Occupation List)に載っている職種の勉強をはじめるのもひとつの手段です。
職業リストに記載されているなかで、自分に合った仕事を見つけましょう。
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